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プレ妊活/ブライダルチェック外来
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安心と信頼の30年以上の実績で、妊娠しやすさをチェックし、最適なアドバイスを提供します。
反復着床不成功について

なぜ、複数回移植したにもかかわらず着床しなかったのでしょうか。何回か胚移植をしたのに、結果がでないことに疲れてしまった患者さまもいらっしゃると思います。着床するためには「胚」と「子宮内膜」が重要です。どちらか、または両方に問題があったために着床しなかったのかもしれません。
当院は1991年から30年以上にわたり不妊治療・体外受精を行っており、1万8千件以上の採卵とそれに連なる胚移植を行ってきました。当院の特徴として、患者さま全員に同じ治療を行うのではなく、患者さまごとの子宮卵巣の状態、これまでの排卵誘発への反応性などをみながらオーダーメイドに最も適すると考えられる医療を行っております。この項で、当院のこれまでの実績をもとに、反復着床不成功のかたに対してどのような検査・治療を行うことができるのかについてご説明いたします。
当院に通われている方だけでなく、他院にて移植を複数回行われたかたで、今後転院して治療をご検討されているかたも参考にしてください。それぞれの検査には高額なものもあり、すべての検査・治療を行えばよいというものではありません。当院では患者さまの状況をお聞きした上で、必要と考えられる治療法を保険診療・先進医療・自費診療(着床前遺伝学的検査・PGT-A /PGT-SRを含む)からご提案いたします。
まず「子宮内膜」についてご説明いたします。子宮内膜側の因子で重要なものには、子宮内膜に炎症があるかどうか、着床の時期が適しているか、免疫系に問題ないかなどがあります。
自覚症状がなくても、子宮内膜に慢性の炎症がある場合(慢性子宮内膜炎)には着床はしづらくなります。慢性子宮内膜炎の検査には主に見た目で評価する「子宮鏡」、細菌で評価する「子宮内細菌叢検査(EMMA/ALICE)」、病理学的に評価する「CD138検査」などがあります。
子宮鏡検査

「子宮鏡」の検査では、子宮の内腔に炎症があるかどうかを内視鏡を用いて目で見て確認することができます。子宮内が炎症により赤くなっていたり(発赤)、むくんでいたり、炎症により生じるといわれているマイクロポリープがあれば、明らかに炎症があるといえます。反復着床不成功のかたがまず初めに行ったほうがよい検査といえます。
子宮内細菌叢検査(EMMA/ALICE)
「子宮内細菌叢検査(EMMA/ALICE)」は子宮の中の細菌叢を調べる検査です。もともと腟内は細菌が豊富ですが、子宮内はほとんど細菌がいないと考えられていました。現在は微量の細菌がいることが知られていますが、その中の乳酸菌ラクトバチルスの割合や子宮内膜炎を起こす細菌の割合が着床や妊娠の維持に関係していることがわかってきています。この検査では、次世代シークエンサーとよばれる特別な機械を用いて子宮内膜にどんな細菌がいるかを網羅的に検査することができます。これらの検査により、子宮内に乳酸菌が不足していないか、子宮内膜炎を起こすような細菌がいないか、いる場合にはどの抗生剤を何日間使えば治療できるかを調べることができます。
子宮内膜受容能検査(ERA)

体外受精―胚移植においては、良質な胚を移植することがとても重要ですが、その胚を受け入れる準備が整った適切なタイミング(この時期のことをimplantation window; 着床の窓とも呼びます)で移植することも重要です。
しかし、反復着床不成功のかたの中にimplantation windowがずれていることが原因で着床しないケースが知られています。「子宮内膜受容能検査」は、現在移植を行っているスケジュールで実際にimplantation windowが開いているかどうかを判定する分子生物学的検査です。次世代シークエンサーを用いて子宮内膜組織の遺伝子発現を解析し、移植時期が適正(受容期; receptive)なのか、適正でない(非受容期; pre-receptive or post-receptive)なのかを判断することができます。また適正でない場合には、移植する時期をどのようにずらして行えばよいのかを調べることができます。
次に、着床しない原因として「胚」に問題がある場合についてご説明します。胚で重要なものは、アシステッド・ハッチングと着床前遺伝学的検査(PGT-A /PGT-SR)になります。
アシステッド・ハッチング(AHA)

胚は透明帯という殻に覆われており、その殻を破って孵化して着床に至ります。この殻が年齢が高くなったり、胚を凍結したりすることにより硬くなり、胚がうまく孵化できず、結果として着床できない可能性があるといわれています。そこで透明帯の一部をレーザーで穴を開け、胚が孵化するのを助ける方法がアシステッド・ハッチングです。過去の胚移植で妊娠不成功であった場合にはアシステッド・ハッチングの有効性が高いとされていますが、全症例に対して行うことは推奨されていません。多胎妊娠になりやすいという報告もあります。
着床前遺伝学的検査(PGT-A /PGT-SR)

着床前遺伝学的検査(PGT-A /PGT-SR)についてご説明いたします。
私たちヒトのからだは、約37兆もの細胞からできていますが、そのもととなるのは最初の受精卵(胚)です。受精卵の中には核があり、その中に「染色体」が含まれています。私たちヒトは、常染色体22対44本と性染色体2本のあわせて46本の染色体をもっています。染色体とはいわば「身体の設計図」でもあり、受精卵の中の染色体の本数が異なると、身体を構成するすべての細胞の染色体の本数が変わってしまいます。

女性の年齢が上がると卵子の持つ染色体の本数が変化し、過不足が生じやすくなることが知られています。では、実際に体外受精・顕微授精を行って凍結した受精卵(胚)の中で、どれくらいの割合で染色体の本数に変化があるのでしょうか。日本の着床前遺伝学的検査の研究によれば、30歳のかたの胚盤胞でもおよそ半分の胚には染色体に変化があります。また、年齢が上がるとその割合は上がっていき、38歳ではおおよそ3個のうち2個に、42歳では4個のうち3個の胚の染色体に変化があります。つまり42歳のかたが、これまでに3回移植をして一度も着床しなかったとしても、3回のうち2回、もしくは3回とも胚の染色体側に要因があった可能性も高いのです。
移植前に胚の染色体を調べる検査が着床前遺伝学的検査になります。着床前遺伝学的検査を用いることによって染色体に過不足ない胚を見つけだし、その胚を移植することにより、移植あたりの妊娠率が向上し、流産率は低下することが期待できます。ただ、検査を行う際に胚の細胞を一部取ってくる必要があり、検査自体が着床率を少し低下させる可能性も指摘されています。
2019年から日本産科婦人科学会が「継続妊娠率向上を目的としたPGT-Aの有用性を検討する多施設共同研究」を行うことになり、様々な厳格な条件をクリアした当院を含む39施設が最初に選ばれて研究が始まりました。この研究は2022年に終了し、現在は研究ではなく医療として提供できるようになりました。しかし、この技術が受精卵の選別につながる懸念から、すべての人に着床前遺伝学的検査をご提供できるわけではなく、条件を満たしたかたに限り、希望に応じて行うことができます。
当院では以下の条件を満たしたご夫婦が、着床前遺伝学的検査(PGT-A /PGT-SR)をお受けになることができます。
PGT-A:
「2回以上胚移植で着床されなかった経験のある不妊症のご夫婦」
「2回以上流産されたことのある不妊症または不育症のご夫婦」
「不妊症のご夫婦のうち、女性の年齢が35歳以上(対象の年齢は今後学会の指針により変更となる可能性があります)」
PGT-SR:
「ご夫婦いずれかが染色体構造異常をおもちの不妊症または不育症のご夫婦」
当院では以下の条件を満たしたご夫婦が、着床前遺伝学的検査(PGT-A /PGT-SR)をお受けになることができます。
PGT-A:
「2回以上胚移植で着床されなかった経験のある不妊症のご夫婦」
「2回以上流産されたことのある不妊症または不育症のご夫婦」
PGT-SR:
「ご夫婦いずれかが染色体構造異常をおもちの不妊症または不育症のご夫婦」
当院に通院されているかたで、着床前遺伝学的検査(PGT-A /PGT-SR)を御希望のかたは担当の医師にお伝えください。
当院に通院されていないかたで、当院でPGT-Aをご希望のかたはまずはお電話にてご相談ください。当院では臨床研究のころよりPGT-Aを行っており、100名を超えるかたにお受けいただいています。またPGT-SRをご希望の方には、個別に臨床遺伝専門医がお話しさせていただきます。安心してご相談ください。
すべての着床前遺伝学的検査については日本産科婦人科学会の管理のもとで行っており、着床前遺伝学的検査をお受けいただく前に遺伝カウンセリングをお受けいただく必要があります。また着床前遺伝学的検査は自費診療になります。
実際の着床前遺伝学的検査(PGT-A /PGT-SR)の検査の流れをご説明いたします。採卵から胚培養までは通常の体外受精と同じです。

月経がきたら薬剤を用いて卵巣刺激を行って複数個の卵胞を発育させます。なるべく多くの卵胞を発育させることが最も重要です。その後通常の採卵と同様に体外受精、胚培養を行い、胚盤胞まで到達した胚から5-7細胞を生検します。それらを専門の機関にて染色体解析を行い、約3週間後に結果を外来でご説明いたします

結果はA、B、C、Dのいずれかで返ってきます。一般的にはAまたはBが移植可能な胚、Cは移植に不適な胚、Dは判定不能な胚となります。Dはほとんど起きませんが、細胞の溶け具合に偏りがあると起こることが多いといわれています。
B胚は解釈が難しい胚ですので、細かくご説明させていただき、移植を行うかどうか胚ごとに相談していくことになります。

ここで少し難しいですが、次世代シークエンサーを用いて行われたPGT-A/ PGT-SRの結果の解釈をご説明いたします。基本的には図のような形で結果は表されます。横軸が染色体番号で縦軸が染色体の本数といえます。染色体の本数に過不足のない胚では、2.0のところに線が引かれます。
過不足がある胚の場合には、たとえば5番染色体が3本であれば、5のところが3.0になり、11番染色体が1本であれば、11のところが1.0になります。このようにして染色体の本数が2本ずつなのかということをみることができます。
実際には、このようにクリアには表せないモザイクなども多くみられることから、判断が難しい場合も多くあります。当院ではご希望があれば、個別に臨床遺伝専門医がお話しさせていただきますので、ご納得いただいたうえで治療をすすめることができます。
では実際にどのようなやり方で着床前遺伝学的検査(PGT-A /PGT-SR)を進めていくのが良いのでしょうか。基本的にはなるべく多くの卵子を取る必要があり、卵巣刺激は高刺激で行うことが望ましいです。その理由をご説明いたします。

一般に採卵した卵のなかでおよそ30%程度がPGTを行うことができる胚盤胞に達することができます。残りの胚は未成熟・未受精・変性などで胚盤胞まで発育しません。
一方、40歳のかたではおよそ3-4個に1個の胚盤胞がPGT-Aで移植可能なAまたはBと判定されます。つまり、40歳のかたでPGT-Aで移植可能な胚と判定されるためには単純計算で約10個の卵子が必要です。自然周期や低刺激では1回の採卵で1個~2,3個しか採卵できないため、移植可能な胚を得るまでにかなり多くの回数の採卵と数カ月の期間が必要となります。
ただ高刺激には卵巣が腫れやすくなるリスクがあります。また、卵巣の中の卵子の残り個数によっては、高刺激を行ってもあまり卵子が取れないかたもいます。
当院では、患者さまの卵巣の機能や排卵の時期や薬剤への反応性などをもとに、最も患者さまに適した卵巣刺激法を行っていきます。着床前遺伝学的検査(PGT-A /PGT-SR)をお考えの方は担当医師まで、また他院にて移植を複数回行われたかたで、今後転院して治療をご検討されているかたもご相談ください。またPGT-SRをご希望されるかたには臨床遺伝専門医が対応いたしますのでご相談ください。
| 検査名 | 検査種類 | 検査内容 | 目安の金額(税込) |
|---|---|---|---|
| AMH | 血液 | 卵巣に残された卵子の数を反映します | 7,700円 |
| 経腟超音波 | 内診 | 子宮・卵巣の基本検査で、子宮筋腫・卵巣嚢腫などの有無を調べます | 3,300円 |
| 甲状腺 | 血液 | 流産・早産などに関わります | 3,850円 |
| クラミジア抗体 | 血液 | クラミジアの感染歴を調べます | 3,300円 |
| 肝炎 | 血液 | B型肝炎・C型肝炎の有無を調べます | 4,400円 |
| 感染症 | 血液 | 梅毒・HIVの有無を調べます | 6,600円 |
| 貧血・血清鉄・ 肝機能・腎機能 | 血液 | 一般的な健康状態をチェックします | 2,200円 |
| 子宮頸がん | 内診 | がん検診。直近1年以内に検査を受けている場合には不要です | 5,610円 自治体の補助券も使用できます |
| HPV高リスク型検査 | 内診 | 子宮頸がんの原因になるハイリスク型HPVに罹患しているかどうかを調べます | 4,400円 |
| 風疹・麻疹 | 血液 | 風疹・麻疹の抗体の有無を調べます。抗体価が足りない場合にはワクチンの接種をお勧めすることもあります | 各3,300円 |
| ビタミンD | 血液 | 妊娠・流産などに関わります | 5,500円 |




