数年前から行われはじめた検査で、卵巣の中にどれくらいの数の卵子が残っているかを調べるための検査です。
女性は生まれる前にすべての卵子ができています。20歳で排卵する卵子は20年前に作られた卵子で、40歳で排卵する卵子は40年前に作られた卵子です。性成熟期になり排卵が始まると、毎月約1,000個の卵子が最終成熟を開始し競争し、敗れた卵子はなくなっていきます。そして3カ月後に1個の卵子が排卵します。このように毎月多くの卵子が減っていきます。AMHは原始卵胞からすこし先の前胞状卵胞から分泌されるホルモンで、このホルモンと残っている卵子数はほぼ比例するため、残っている卵子の数を表す指標とされています。
当初は卵巣年齢を調べるための検査という言い方をされていました。確かに一人の人をとってみると年齢とともにAMH値は低下していきますが、人によりAMH値が非常に異なるため、年齢別の平均値や中央値と自分のAMHと比較して多少高くても低くてもあまり意味はありません。ただAMHが非常に低い場合には閉経が早くなる可能性があり、ステップアップを急ぐ必要があります。
またAMH値は卵巣に残っている卵子の数を示すだけで、妊娠のしやすさを示すものではありません。AMH値が0に近いのに妊娠される方も多くおられます。
AMHは、体外受精/顕微授精を行う際にどのような卵巣刺激法を選択するかを決めるための非常に重要な指標になります。