海外のデータから、排卵誘発剤を用いた人工授精の妊娠率は高いことが知られています。しかし、排卵誘発剤を使う場合には複数個排卵し、多胎妊娠(双子や三つ子など)のリスクが高まります。多胎の場合には早産率は50%といわれており、また妊娠高血圧などの合併症も起こしやすいことが知られています。排卵誘発剤を用いた人工授精を行う場合には、排卵誘発剤の投与量を調整して、4個以内の排卵にコントロールする必要があります。
当院で行われた約17000件の人工授精をもとにした論文によれば、排卵誘発剤を使わなくても十分な妊娠率を担保できることを報告しています。他方で、もともと生理不順のある人に対しては、排卵誘発剤を用いて適切なタイミングに排卵を起こして人工授精を行います。

医療法人社団栄賢会梅ヶ丘産婦人科