女性の年齢があがっていくと、卵子の中の染色体の分離というメカニズムがうまく働かなくなり(これを染色体の不分離と呼びます)、染色体の本数が多かったり少なかったりする卵子が増えていきます。染色体の不分離が起こった卵子が精子と受精すると受精卵の染色体の本数が変化してしまうことで妊娠しなくなり、また、妊娠しても流産する確率が増えてしまいます。染色体の不分離というメカニズムは女性の年齢があがると起こりやすくなりますが、凍結した卵子では凍結した年齢のときから変化しません。
卵子凍結のメリットとしては、少しでも若い年齢のときに染色体正常の卵子を凍結しておくことで、年齢が上がってから妊娠を希望した場合にその卵子を使うことにより妊娠率が上がり、流産率を下げられることです。
卵子凍結のデメリットとしては、卵子凍結を行うのに通院して複数回の注射や採卵術が必要であること。何年か後に凍結した卵子を融解しても、受精できるか妊娠できるかわからないことなどがあります。また、年齢があがることにより、妊娠中の母体合併症が増えてしまうことがあります。

医療法人社団栄賢会梅ヶ丘産婦人科